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■カーサ トリアーデ
 この建物は3つの箱状の住戸棟が雁行しながら並べられ、そのうちの一番奥の棟は敷地西側の現在駐輪場に使われている水路に沿って27°ふられて配置されている。この雁行した3つの箱の白い側面は、正面の打放のまま残された仕上げと対比させることで浮かび上がり、建物前面の空間を囲い込むように配置されている。この雁行秩序は三角形の変形した敷地への解法として設計開始当初より強く意識し、これを軸として数々のオルターナティブを作成した。
 敷地北側の角状部分は雑多な街区に挟まれたような場所であるため、住戸へのアクセスはここに壁で囲われた明瞭な形をもった一つの空間をなかで展開させ、建物の中心を作り上げている。ここは屋外として扱われ、一部の壁は白く塗られ、そこに反射した光は一階まで導かれる。ちょうどパラッツオの中庭を入り口から眺めた時に感じる明るい光のイメージである。また、この空間は居住する人たちが共有すところであり、居住者に所属する空間であり、居住者にっとてのもう一つの部屋である。南側はボックスが切り落とされた様に薄肉ラーメン構造の柱、梁がそのまま打放コンクリートとして表され、内部空間を南側に解放している。このフレームに突っ張る様にアルミ製のルーバーの手すりと雨戸が取り付けられている。これらのルーバーは既製のアルミ押し出し材を用い、ステンレスを補強材としてビルトアップしたものである。通常、1階部分の窓はプライバシーの確保と、防犯対策を考えなければならず、格子を入れるなどして苦労しておられる集合住宅が多いがここでは、その解決策としてこのアルミ製雨戸を導入し、全体のデザインモティーフとした。またこの雨戸は防犯、遮光のみならず、ルーバーを開度をかえることで日除けとしての機能も併せ持ったものであり、上部の階においては、特にブリーズソレイユとしての意味が強い。ユニットは60㎡程度のため、可能なかぎり有効スペースが多くなるように考え、吹き抜けを設けた際に必要な階段など、作る大きさではないと判断し、コンパックトなフラットタイプのみとした。月並みな言い方であるが、収納の充実をはかり、キッチンも食器棚まで含んだフル装備とし、椅子とベッドだけ運びこめば居住可能なものとした。一方柱梁型の出ない薄肉ラーメン構造とすることで、天井一杯までのサッシなどが実現し、解放的な部屋とすことができた。
(新建築住宅特集より抜粋)
所在地:埼玉県越谷市
用途:共同住宅(賃貸)
構造:鉄筋コンクリート造
延床面積:782.54m2
構造設計:構造設計社
設備設計:ZO設計室
施工:池田建設
写真:新建築社写真部

雑誌掲載
・新建築住宅特集 98年6月号
・BURUTUS
 マガジンハウス 98年11月
・鈴木不動産
 ギャップ出版 99年12月
・PEN 2001 年 NO.54
・ディテール 2005年 冬季号

受賞
・住宅金融公庫賞