2020   2017   1992   
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南軽井沢の家   1992

 約40度の急傾斜地に建つ山荘です。敷地の北側に浅間山を正面に、中軽井沢から旧軽井沢まで一望できる所にあります。
 丁度茶室や、数寄屋の庭と同じように北側に展開する光景は日に美しく映えて見えます。北向きの家といえばただ暗いだけという印象を抱くものですが、実際は全く逆で外部空間を主役に捉えた場合は最も良い関係となります。また、夏を旨とした山荘としても絶好のローケーションです。
 建物の前面は木々の幹に会わせたグレーの下見板貼りです。この壁には2カ所だけ開口が設けられています。正面右側の窓には、トップライトの光に照らし出された白い壁と、米松の屋根を受ける垂木が見え、室内に明るい空間があることを知らせています。この左側には門のような入り口があり、ここをくぐって、初めてこの景色と出会うことになります。
このテラスに接して玄関があり、ここから山の斜面に沿うように掛けられた屋根の下に入ります。中に入ると左側に浮くように架けられた大きな壁梁があります。
この壁梁は屋根を支えると共に、反射板の役割もはたし、ここに沿って作られたトップライトからの光はこれに反射し、間接光として下のリビングルームを照らし出す仕掛けとなっています。

トップライトの光は明るい反面暑さが問題となりますが、高原では利点も大きく、木々に囲まれて暗くなりがちな室内を明るく照らし、お盆をすぎる頃から早くもこの光の下での日向ぼっこが楽しみの一つとなってきます。
 この階段を下りると、正面には横長に切り取られた、景色が展開し高原に浮かんだゴンドラに乗るような気持ちが味わえます。
 リビングルームのある主空間は天井高さ、幅とも3間(約5.4m)の断面で、平面は3間×5間(9m)の黄金比からなる構成となっています。これから内部の空間は膨らみのある豊かさを得、内部にいる人は抱かれるような安心感のある空間となっています。又、室内の木は構造、仕上げとも全て米松白とし、これらが白の塗装の壁と対比して用いています。

 約40度の急傾斜地に建つ山荘です。敷地の北側に浅間山を正面に、中軽井沢から旧軽井沢まで一望できる所にあります。
 丁度茶室や、数寄屋の庭と同じように北側に展開する光景は日に美しく映えて見えます。北向きの家といえばただ暗いだけという印象を抱くものですが、実際は全く逆で外部空間を主役に捉えた場合は最も良い関係となります。また、夏を旨とした山荘としても絶好のローケーションです。
 建物の前面は木々の幹に会わせたグレーの下見板貼りです。この壁には2カ所だけ開口が設けられています。正面右側の窓には、トップライトの光に照らし出された白い壁と、米松の屋根を受ける垂木が見え、室内に明るい空間があることを知らせています。この左側には門のような入り口があり、ここをくぐって、初めてこの景色と出会うことになります。
このテラスに接して玄関があり、ここから山の斜面に沿うように掛けられた屋根の下に入ります。中に入ると左側に浮くように架けられた大きな壁梁があります。
この壁梁は屋根を支えると共に、反射板の役割もはたし、ここに沿って作られたトップライトからの光はこれに反射し、間接光として下のリビングルームを照らし出す仕掛けとなっています。

トップライトの光は明るい反面暑さが問題となりますが、高原では利点も大きく、木々に囲まれて暗くなりがちな室内を明るく照らし、お盆をすぎる頃から早くもこの光の下での日向ぼっこが楽しみの一つとなってきます。
 この階段を下りると、正面には横長に切り取られた、景色が展開し高原に浮かんだゴンドラに乗るような気持ちが味わえます。
 リビングルームのある主空間は天井高さ、幅とも3間(約5.4m)の断面で、平面は3間×5間(9m)の黄金比からなる構成となっています。これから内部の空間は膨らみのある豊かさを得、内部にいる人は抱かれるような安心感のある空間となっています。又、室内の木は構造、仕上げとも全て米松白とし、これらが白の塗装の壁と対比して用いています。

所在地:
長野県北佐久郡軽井沢町
用途:
別荘
構造:
木造
延床面積:
122.52m²
設計:
矢板久明 上野武
施工:
丸山工務店
写真:
新建築社写真部(1992)
千葉顕弥(2017)
川辺明伸(2020)

雑誌掲載

新建築住宅特集 1994年01月
ディテール 1995年 夏季号
現代住宅の納まり手帖
 2019年11月

モダンリビング
 2021 JANUARY No.254

受賞

・2018年 JIA25年建築選