teNEO
〈継承〉
かつて「暴れ天竜」と呼ばれた天竜川で、明治初期に行われた金原萌善翁が行った治水のための植林に端を発するこの地方の林業は、地域の生活と環境保全に深く関わっています。
今では日本三大美林に数えられる天竜川流域で3代に渡って林業を営んで来た丸八製材所は、ここに1000haの山林を所有し、上質のスギやヒノキを育ててきました。
山を見放し放置する林業家が多い中、丸八製材所は良質な天竜材を育てる努力を続け、山林を育てるばかりでなく、木材加工や住宅施工まで手掛け、一本の木が家具や住宅になるまで関わることで、林業を再生し次世代に継承することを目指してきました。
〈循環〉
丸八製材所の天竜杉は均質な美しい年輪をきざんでいます。それは長年にわたり、下草を刈り間伐を行うなどして手を緩めることなく最良の環境で育てられたことを物語っています。この木目の詰まった美しい杉材は、構造材から家具まで愛用されてきましたが、“あかみ”と“しらた”の混じった表情は個性的で、和風民家にはよくマッチしますが、好みの別れるところでもありました。
マルハチ テネオでは、構造材に天竜杉を用いることはもちろんのこと、仕上げ材としても従来のイメージに囚われることなく、杉材を染色し、現代的な生活にも適合するモダンな住宅を提供することで、新たな販路の開拓を試みました。
生糸が染められてさらに魅力をますように、染色された杉板は木目が美しく浮き出てきます。赤みの多い芯材は、30mm厚の床材として焦げ茶に染められ、壁は白っぽい辺材や、間伐材を白く染色することで、白と茶のコントラストを生かしたインテリアとなっています。そして杉板の柔らかさは素足にも優しく、さわやかな芳香とも相まって居心地の良い空間をつくり出しています。内部は傾斜屋根のふところを有効に空間化し、広がりのあるのびのびとした空間となっています。また、キッチンやユーティリティーのようなサービス用の部屋にも5m近い天井高が与えられ、トップライトからの光が降り注ぐスペースは、ここに立つミセスが美しく映え、気持ち良く働ける空間を提案しています。
-天竜杉の新展開 / 林業の再生と継承を目指してー
〈継承〉
かつて「暴れ天竜」と呼ばれた天竜川で、明治初期に行われた金原萌善翁が行った治水のための植林に端を発するこの地方の林業は、地域の生活と環境保全に深く関わっています。
今では日本三大美林に数えられる天竜川流域で3代に渡って林業を営んで来た丸八製材所は、ここに1000haの山林を所有し、上質のスギやヒノキを育ててきました。
山を見放し放置する林業家が多い中、丸八製材所は良質な天竜材を育てる努力を続け、山林を育てるばかりでなく、木材加工や住宅施工まで手掛け、一本の木が家具や住宅になるまで関わることで、林業を再生し次世代に継承することを目指してきました。
〈循環〉
丸八製材所の天竜杉は均質な美しい年輪をきざんでいます。それは長年にわたり、下草を刈り間伐を行うなどして手を緩めることなく最良の環境で育てられたことを物語っています。この木目の詰まった美しい杉材は、構造材から家具まで愛用されてきましたが、“あかみ”と“しらた”の混じった表情は個性的で、和風民家にはよくマッチしますが、好みの別れるところでもありました。
マルハチ テネオでは、構造材に天竜杉を用いることはもちろんのこと、仕上げ材としても従来のイメージに囚われることなく、杉材を染色し、現代的な生活にも適合するモダンな住宅を提供することで、新たな販路の開拓を試みました。
生糸が染められてさらに魅力をますように、染色された杉板は木目が美しく浮き出てきます。赤みの多い芯材は、30mm厚の床材として焦げ茶に染められ、壁は白っぽい辺材や、間伐材を白く染色することで、白と茶のコントラストを生かしたインテリアとなっています。そして杉板の柔らかさは素足にも優しく、さわやかな芳香とも相まって居心地の良い空間をつくり出しています。内部は傾斜屋根のふところを有効に空間化し、広がりのあるのびのびとした空間となっています。また、キッチンやユーティリティーのようなサービス用の部屋にも5m近い天井高が与えられ、トップライトからの光が降り注ぐスペースは、ここに立つミセスが美しく映え、気持ち良く働ける空間を提案しています。
- 所在地:
- 静岡県浜松市
- 用途:
- モデルハウス
- 構造:
- 木造
- 延床面積:
- 152.7m²
- 監修:
- 矢板建築設計研究所
- 設計:
- 矢板建築設計研究所
- 統括:
- 矢板久明 矢板直子
- 担当:
- プロデュース:
建築プロデュース研究所
- 施工:
- 丸八製材所
- 写真:
- 矢板建築設計研究所
雑誌掲載
・I'm home 2004年 autumn
・MEMO 2005年3月
・I'm home 2012年 5月 no.57
・建築知識 2014年1月
・ディテール 2014年 秋季号