Summer   Autumn   
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Villa Stella   Summer

敷地は浅間山麓の南斜面の土地である。敷地内に小さなせせらぎが流れ,かすかな水音が耳に心地よい所にある。
建て主は,この家をリタイア後の終の棲家とし,自然の中で友人たちと語らい,天体観測をしながら暮らすことを楽しみにしておられた。この家の設計に際して、単に趣味の為だけ家ではないので,この天体観測ドームをいかに日常の生活空間のなかに取り込むかがテーマとなった。
ドームの観測には防振性能と生活温度の伝達をなくすという観点から、我々は木造建築との一体化は避けるべきであると判断し,ドームを独立した離れとして扱い,これを見晴らしの良い,敷地の一番高いところに設けることにした。 
そしてドーム中心を通る斜面に直交する軸線上に母屋を置き,そしてドームを中心として広がる空間を取り込むように,母屋の端を開放してアウトドアリビングとし、建物とドームを関係づけた。
母屋はコンターラインと直交するように置いたが,基礎構造面積を少なくするために,建物先端は大きくキャンティレバーで持ち上げ,谷に向かって突き出した形とした。家の内部では斜面に沿ってスキップフロアを構成し,下の階には寝室と水回り,上の階は多目的な用途に使える和室と共にドームを正面に見ながら執務ができるよう、リビングの上部に、丁度、船の操舵室の様に書斎を設えた。
家の内部では斜面に沿ってスキップフロアを構成し,下の階には寝室と水回り,上の階は多目的な用途に使える和室と共にドームを正面に見ながら執務ができるよう、リビングの上部に、丁度、船の操舵室の様に書斎を設えた。

現在、軽井沢町では景観条例で1/2勾配以上の屋根に50cm以上の庇をつける事が義務づけられているので、これを積極的に捉えて,庇の出をさらに大きく1Mとした切妻壁屋根をテーマとして設計を進めた。
壁面は湿気の多い軽井沢の気候を考慮し,外壁側では特殊な透湿防水シートを使い、室内側には可変調湿シートを用いた通気工法を採用した。さらに通気性が悪い構造用合板を用いず,圧縮だけではなく引張り力にも有効な特殊な筋交いを工夫して用いた。
そして外壁は湿気による伸縮を考慮し,唐松の下見板貼を採用した。最終的に建築全体はこのように壁の建築として立ち上が来たので,この壁体の上部に幅広の桁を乗せ、その上に屋根架構を構築した。
白いドームと供に、この建築を周辺の緑との対比が美しい白い建築とすることは、私が初めてこの敷地を訪れた時から、そこに浮かび上がってくるイメージは終始変わることはなかった。そして現しにされた桁はギリシャ建築のアーキトレーブを彷彿とさせ、どこか西洋建築のオーダーをイメージさせる美学が立ち現れて来た。建設の為の智慧の証として。

敷地は浅間山麓の南斜面の土地である。敷地内に小さなせせらぎが流れ,かすかな水音が耳に心地よい所にある。
建て主は,この家をリタイア後の終の棲家とし,自然の中で友人たちと語らい,天体観測をしながら暮らすことを楽しみにしておられた。この家の設計に際して、単に趣味の為だけ家ではないので,この天体観測ドームをいかに日常の生活空間のなかに取り込むかがテーマとなった。
ドームの観測には防振性能と生活温度の伝達をなくすという観点から、我々は木造建築との一体化は避けるべきであると判断し,ドームを独立した離れとして扱い,これを見晴らしの良い,敷地の一番高いところに設けることにした。 
そしてドーム中心を通る斜面に直交する軸線上に母屋を置き,そしてドームを中心として広がる空間を取り込むように,母屋の端を開放してアウトドアリビングとし、建物とドームを関係づけた。
母屋はコンターラインと直交するように置いたが,基礎構造面積を少なくするために,建物先端は大きくキャンティレバーで持ち上げ,谷に向かって突き出した形とした。家の内部では斜面に沿ってスキップフロアを構成し,下の階には寝室と水回り,上の階は多目的な用途に使える和室と共にドームを正面に見ながら執務ができるよう、リビングの上部に、丁度、船の操舵室の様に書斎を設えた。
家の内部では斜面に沿ってスキップフロアを構成し,下の階には寝室と水回り,上の階は多目的な用途に使える和室と共にドームを正面に見ながら執務ができるよう、リビングの上部に、丁度、船の操舵室の様に書斎を設えた。


現在、軽井沢町では景観条例で1/2勾配以上の屋根に50cm以上の庇をつける事が義務づけられているので、これを積極的に捉えて,庇の出をさらに大きく1Mとした切妻壁屋根をテーマとして設計を進めた。
壁面は湿気の多い軽井沢の気候を考慮し,外壁側では特殊な透湿防水シートを使い、室内側には可変調湿シートを用いた通気工法を採用した。さらに通気性が悪い構造用合板を用いず,圧縮だけではなく引張り力にも有効な特殊な筋交いを工夫して用いた。
そして外壁は湿気による伸縮を考慮し,唐松の下見板貼を採用した。最終的に建築全体はこのように壁の建築として立ち上が来たので,この壁体の上部に幅広の桁を乗せ、その上に屋根架構を構築した。
白いドームと供に、この建築を周辺の緑との対比が美しい白い建築とすることは、私が初めてこの敷地を訪れた時から、そこに浮かび上がってくるイメージは終始変わることはなかった。そして現しにされた桁はギリシャ建築のアーキトレーブを彷彿とさせ、どこか西洋建築のオーダーをイメージさせる美学が立ち現れて来た。建設の為の智慧の証として。

所在地:
長野県北佐久郡軽井沢町
用途:
専用住宅
構造:
木造
延床面積:
90.57m²
設計:
矢板建築設計研究所
統括:
矢板久明 矢板直子
担当:
渡邊朋恵
企画/ザ・ハウス
構造設計:
構造設計社
設備設計:
島津設計
施工:
丸山工務店
写真:
   小川重雄 (Summer)
*  千葉顕弥(Autumn)
** 矢板建築設計研究所(Autumn)

雑誌掲載

モダンリビング
 2014 NOV No.217

新建築住宅特集 2015年11月
モダンリビング
 2017 NOV No.235


サイト掲載
ザ・ハウスで建てた家